管理人のこと

管理人の<やまはな文庫>です。

かつて、進学塾で国語担当の講師をしていました。

初めて好きになった小説家は村上春樹さんで、特に「鼠3部作」や『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『中国行きのスロウボート』などといった、超初期のクールな作品群をこよなく愛しています。

村上さんの作品を読むうちに、スコット・F・フィッツジェラルドやトルーマン・カポーティ、レイモンド・チャンドラー、サリンジャーなどのアメリカの小説を読むようになりました。

『華麗なるギャツビー』や『ティファニーで朝食を』「フィーリップ・マーロウ・シリーズ」『ライ麦畑でつかまえて』は大好きで、古い訳を読んでいるうちに、翻訳家の清水俊二さんや野崎孝さんのファンになりました(なぜか翻訳は古いものの方が好き)。

村上さんとの共著の多かった安西水丸さんの著作も好きで、同じく1980年代に流行した、他の文学作品にも触れるようになりました(特に、片岡義男さんと常盤新平さん、森瑤子さん、ボブ・グリーンなんかを集めています)。

最近では、1980年代に出版されていた『POPEYE』『anan』などの雑誌の記事や書評を読んで、古い本を探すこともあります(今では雑誌そのものも好きになって、マガジンハウス社の古い雑誌も集めています)。

ここまでが僕の読書のひとつの大きな流れです。

次に、村上さんの「若い読者のための短編小説案内」で「第三の新人」を知り、その中でも庄野潤三さんの作品に強く惹かれました(村上さんは『静物』を紹介していた)。

現在の読書の中心は完全に庄野潤三さんで、全著作読破に向けて日々庄野文学に没頭しています(最近になって、とうとう古い『庄野潤三全集』(全10巻)も手に入れました)。

庄野さんの作品には、庄野さん自身の読書体験が綴られていることも多く、庄野さん繋がりで、チャールズ・ラムやディケンズなどのイギリス文学や、チェーホフなどのロシア文学も読むようになりました。

福原麟太郎や河上徹太郎、井伏鱒二、小沼丹、安岡章太郎、小山清などを読むようになったのも、庄野さんの影響で、それぞれの作家につながる流れにも飛び込んでいきたいと思っています(例えば、小山清の流れは太宰治という非常に大きな流れに辿り着きます)。

福原麟太郎さんや平田禿木さんは、思い余って全集全巻セットを購入するくらいにハマっています。

こうして振り返ってみると、僕の読書の原点は村上春樹さんですが、現在は、庄野潤三さんという別の大きな流れの中で、文学の世界を楽しんでいます。