いろいろの世界

「コーヒーの絵本」自粛生活はおうちカフェで。初めての珈琲入門

「コーヒーの絵本」自粛生活はおうちカフェで。初めての珈琲入門

おいしいコーヒーの淹れ方が絵本でわかる。

珈琲豆に関する知識も抜かりなく。

誰でも自宅で美味しいコーヒーが淹れられるようになる絵本です。

書名:コーヒーの絵本
著者:庄野雄二(作)、平澤まりこ(絵)
発行:2014/10/8
出版社:サンクチュアリ出版

作品紹介

本書は、美味しいコーヒーの淹れ方を解説した「絵本」です。

全体は大きく3つのパートで構成されていて、「コーヒーってなに?」「コーヒーをいれてみよう」「コーヒーは自由に楽しもう」という見出しが付けられています。

全部で50ページに満たない薄い絵本ですが、コーヒーの淹れ方が分かりやすく紹介されています。

それぞれの説明にイラストが付いていることで、初めてコーヒーを淹れるという人にも理解しやすい作りになっています。

インスタントだってかまわない。でも、お店みたいな味がいれられたら、コーヒーの時間がもっと楽しくなる。そうはいうものの、コーヒーをいれるのってなんだか面倒そうだよね。でもね、それは難しいことじゃない。ちょっとしたコツと、自分にあった少しの道具があれば大丈夫。コーヒーをグッとおいしくする魔法を、みんな持っている。さあ、コーヒーの話を始めるよ。(「コーヒーの絵本」より)

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なれそめ

コーヒーが好きで、週末の趣味はカフェ巡り。

いろいろなお店のコーヒーの味を覚えて、少しずつ自分の好きなコーヒーの味も覚えてきて、お気に入りのカフェもいくつかできて。

その次に考えたことは、お気に入りのカフェのコーヒーを自宅でも飲んでみようということでした。

ところが、ちょっとクセのある、そのお店のコーヒーは、お店の味をなかなか自宅で再現することができません。

いろいろな抽出方法を勉強して、ようやく満足できるコーヒーを淹れられるようになるまで、どれだけたくさんのコーヒーを失敗したことか。

そんな経験があるせいか、コーヒーの抽出にはちょっとこだわりがあります。

雑誌のコーヒー特集とかも、ついつい読みたくなってしまう。

だから、コーヒーの淹れ方を解説した絵本が出版されたと聞いたとき、すぐに読んでみようと思いました。

家で飲むコーヒーには、難しい専門用語よりもやさしい絵本の方が似合うような気がしたから。

本の壺

「コーヒーの絵本」は3つのパートで構成されています。

それぞれのパートごとに、コーヒーの魅力に触れていきましょう。

コーヒーってなに?

いちばん最初のパートは、コーヒーに関する基本知識のお勉強です。

「コーヒー豆というけれど、本当は豆ではなくコーヒーの木になる果実の実なんだ」。

果肉を落として、種を干すと、コーヒーの生豆のできあがり。

生豆は緑がかっているので「グリーン」と呼ばれています。

喫茶店で見かける運搬用の麻袋に入っているのは、この「グリーン」なんですね。

コーヒーは「ブラジル」「コロンビア」など、生産国の名前で呼ばれることが多いけれど、「キリマンジャロ」や「ブルーマウンテン」は山地域の名前、「マンデリン」や「コナ」は生産地、「モカ」は出荷港の名前がついています。

高地の豆は酸味が強く、低地の豆は酸味が少ない。

とは言っても、同じ産地でもコーヒーの味は様々。

日本で生産される「お米」にも、いろいろな味があるのと同じなんですね。

日本に輸入された生豆は、焙煎されることで、僕たちの知っている茶色いコーヒー豆に生まれ変わります。

コーヒーを選ぶときに、いちばん大切なことは「豆の鮮度」です。

できるだけ新しいものを「豆」の状態で買うのがおすすめ。

コーヒー豆には大きく2つの種類があります。

「ストレート」は1種類の豆だけを焙煎したコーヒーで、それぞれの豆の持っている個性がよくわかります。

「ブレンド」は2種類以上の豆をミックスして焙煎したもので、それぞれのお店に、ぞれぞれの味のブレンドコーヒーがあります。

コーヒーの味は、焙煎度合いで味が大きく変化します。

いわゆる「浅煎り」「中煎り」「中深煎り」「深煎り」と呼ばれるもので、「浅煎り」は酸味が強くて苦味がない、「深煎り」は酸味がなくて苦味が強いという特徴があります。

さらに、コーヒーの味は、豆の挽き具合でも変わります。

「挽き目が粗い」と、お湯は粉の中を素早く通り抜けるので、酸味と甘味があって、苦味の少ないすっきりとしたコーヒーのできあがり。

逆に「挽き目が細かい」と、お湯は粉の中をゆっくりと通るので、苦味と渋味のある、どっしりとしたコーヒーができあがります。

最初はグラニュー糖くらいの「中挽き」からはじめて、少しずつ自分好みの味を見つけましょう。

コーヒーをいれてみよう

ペーパードリップ、ネルドリップ、コーヒーメーカー、サイフォン、エスプレッソマシン、フレンチプレス、、、コーヒーにはたくさんの淹れ方があります。

大きく分けると「紙や布で漉す淹れ方」と「漉さない淹れ方」。

漉したコーヒーは油分が取れてすっきりとした味になり、漉さないコーヒーは油分もうまみも楽しめるこってりとした味になります。

本当においしいコーヒーは、人の手で淹れるハンドドリップだけれど、忙しい朝にはコーヒーメーカーでもかまいません。

コーヒーは無理をしないで楽しみたいもの。

時間のあるときは、ペーパードリップに挑戦してみましょう。

必要な道具は、コーヒーフィルター、コーヒーミル、フィルターペーパー、コーヒーポット、メジャースプーン、コーヒーサーバ、スケール、やかん

コーヒーフィルターには「円すい形」と「台形」のものがあって、「台形」のフィルターには、「1つ穴」と「3つ穴」があります。

円すい形のフィルターはお湯がスコーンと落ちるのでゆっくりと慎重に。

台形の1つ穴はフィルターの中にお湯が溜まってポトポト落ちます。

3つ穴の台形は、穴が3倍なのでお湯が落ちるスピードも3倍あって、1つ穴よりも早く淹れることができます。

コーヒーの味は大きく分けて「甘味」「酸味」「苦味」「コク」の4つあって、これを調節する方法は「速さ」と「温度」です。

酸味と甘味は早くから現れ、苦味とコクは現れるまで時間がかかるので、あっさりとしたコーヒーを飲みたいときは素早く淹れて、苦くてどっしりとしたコーヒーを飲みたいときは、じっくりと時間をかけて淹れましょう。

また、お湯の温度が高いほど苦味とコクが出やすいという特徴があります。

これまでのことを総合的に考えると、「苦いコーヒー」を飲みたいときは、深煎りの豆を細かく挽いて、熱いお湯でゆっくりと淹れれば良い、ということになりますね。

コーヒー道具の中で大切なものはコーヒーポットです。

軽くて「お湯が細く出る」ものを選びましょう。

コーヒーは自由に楽しもう

コーヒーは自分の好きな飲み方で飲むのがいちばん美味しい。

ブラックコーヒーだけがコーヒーの飲み方ではありません。

酸味や苦味が気になるときは、お湯を少し足してみると、丸みができて柔らかな口当たりになります。

カフェオレにカフェラテ、カプチーノ、カフェモカ、アメリカーノ、マキアート。

コーヒーには本当にいろいろな楽しみ方があるんですね。

コーヒーは、絶対に必要なものではない。だけど、おいしいコーヒーがあるだけで、日々のくらしはずっとゆたかになる。自分のすきなコーヒーが、家でいれられるようになる。それだけで毎日は変わるんだ。(「コーヒーの絵本」より)

読書感想

僕は自称「コーヒー好き」で、自宅でもコーヒーを淹れられるようにいろいろな道具を揃えて、専門店の珈琲豆を飲み比べたりしているのですが、知っているつもりで知らないことが多い、ということに本書を読んで気付かされました。

特に「苦いコーヒー」を淹れるために、焙煎度合い、挽き具合、抽出の速さ、お湯の温度で調節するなんていうことは、実はあまり意識していなかったです。

僕は「苦いコーヒー」が好きなんですが、いちばん大切なことは「深煎り珈琲」を選ぶことだと単純に思っていただけに、実はそれだけじゃなかった、コーヒーの世界は本当に奥が深いなあと思いました。

かつて、僕が苦労していた専門店のコーヒーはすごい深煎り珈琲で、豆を買ってきて自分で淹れると、どうにも味が整わなかったのですが、最終的に「熱いお湯を針のように細く注いで時間をかけてじっくり淹れる」という技で、お店に近い味を再現できるようになりました。

お店ではネルドリップで淹れていたので、ペーパードリップで普通に淹れても、なかなか成功しなかったみたいです。

ということで、コーヒーは習うより慣れろ。

自粛生活中におうちでおいしいコーヒーを飲みたいと思っている方におすすめです。

まとめ

コーヒーの味は「焙煎」「挽き」「抽出の速さ」「お湯の温度」で調節できる。

ほっこりとコーヒーを楽しみたいから絵本を選ぶ。

自分好みのコーヒー探しのお友に。

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じゅん
庄野潤三生誕100年を記念して、読書日記ブログを立ち上げました。庄野潤三さんの作品を中心に、読書の沼をゆるゆると楽しんでいます。